高岡市

ふるこはんフェス〔伏木地区文化財活用推進事業〕(2017年〜継続中)

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平成の大修理でよみがえる勝興寺を舞台に、地域を、人をつなぐ、ふるこはんフェス。

富山県高岡市伏木にある「勝興寺」は、真宗王国・越中における代表的な寺院であると同時に、古くから地域の人たちに「ふるこはん」と呼ばれ親しまれてきたお寺でもあります。1998年からは20年余りに渡る大規模な保存修理が行われ、2021年春に全面公開を予定しています。そんな勝興寺が、観光資源という役割だけでなく、仏教離れが進む時代においていかに地域とつながりをもち、地域の活性化に寄与できるのか。また、町外の方と地域の人々とをつなぐ役割を果たせるか。お寺という場をいかしながら住民主体のまちづくりを目指す、新たな文化財活用の取り組みです。

背景

高岡市伏木にある勝興寺は浄土真宗本願寺派の寺院。本願寺八世蓮如上人が、1471(文明3)年、越中の布教の拠点として開き、蓮如の子孫が代々住職を務めました。真宗王国・越中における代表的寺院であると同時に、本願寺を支える連枝寺院の一つとして重要な働きをなしてきたお寺です。​また、本堂を始めとする12棟の建物が国の重要文化財に指定されているなど、多くの文化財を有することでも知られています。

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1998(平成10)年から開始した20年あまりに渡る「平成の大修理」の完成が近づく中、2018(平成30)年の一部公開、2020(令和2)年の全面公開へ向けて、観光拠点としての発展や文化財としての保全に加え、まちづくり・地域振興へつながる勝興寺活用のアイデアが求められていました。

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勝興寺とまちづくり座談会の開催(2017年度)

平成の大修理でよみがえる勝興寺を地域に生かす方法を探るため、まず「勝興寺とまちづくり座談会」を開催。地元住民のみなさんとともに、これからの伏木地域についてや、勝興寺を地域のために活かしていくにはどうすればよいかを考えました。

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座談会では、勝興寺や伏木の魅力について、その歴史や参加者のみなさんが持つそれぞれの思い出も交え意見交換を行いました。地元の方や普段から関心の高い方でも知らないことが次々と語られ、会場は熱気に包まれます。

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意見交換の後、参加者の方とともに特別に本堂や修理中の本坊を見学しました。

さらに、進行役より全国の寺院での活動事例を紹介し、最後は勝興寺や伏木における今後の取組みの可能性、課題についての意見交換を行いました。

「今後もさらに話し合いを重ね、勝興寺を活用するアイデアを実行に移したい」という思いを参加者のみなさんで共有し、座談会は幕を閉じました。

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ふるこはんフェスの開催(2018年〜継続中)

◆地元有志によるワークショップ(2018年)
座談会での意見をふまえ、2018年6月には、地元住民によるワークショップを行いました。2018年夏の本坊一部公開を好機とし、それに合わせた試験的なイベントを開催することを目指すもので、参加者からはさまざまなアイデアが提案されました。

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◆準備委員会(2018年〜継続中)
ワークショップで出たアイデアを実行に移すため、地元有志により準備委員会を発足します。そこでイベント「ふるこはんフェス」の名称と開催が改めて決定しました。

具体的なスケジュールやイベント内容、役割分担などを決めるため、2018年は計3回、2019年は計6回の会議を行い、話し合いを重ねました。

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◆ふるこはんフェスの開催(2018年〜継続中)
ワークショップ、準備委員会を経て、ついに「ふるこはんフェス」の開催に至ります。

フード&クラフトマーケット、ものづくりやマッサージのワークショップ、本堂における音楽コンサートなど、昼から夜まで、お寺で過ごす時間を長く楽しんでいただけるプログラムを用意しています。

いずれの年も年齢や性別を問わず非常に多くの方が訪れ、お寺での滞在を楽しんでくださいました。

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ー特徴的なプログラム

浄土真宗系のお寺は本来、開かれた場所です。そこで人々は時に集い、学んだり気づきを得たり、他者と出会ってきました。私たちは、ふるこはんフェスを単なるイベントとせず、人々の出会いや交流の場になることや、仏教伝道の道場としての機能も付与することを心がけています。

そんな、ふるこはんフェスらしいプログラムをいくつかご紹介します。

《坊主Cafe&Bar》
ふるこはんフェスの大きな特徴の一つに、富山県内の若いお坊さんたちが主体となって参加してくださっていることがあげられます。

なかでも「坊主Cafe&Bar」は、普段は敷居が高く感じられるお坊さんとも、気軽にお話できる機会となるようにと、お坊さんたちが企画し運営しているプログラム。お坊さんたちがドリンクを提供してくれたり、テーブルで気軽に相談に乗ってくれたり。雅楽の演奏やミニ法話も行われます。昼間は心地よい秋風に吹かれ、夜はロウソクのあたたかい灯りに包まれながら、ゆったりと対話を楽しむことのできる空間で、昼夜問わず賑わいを見せています。

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《僧侶DJ》
お坊さんDJがふるこはんフェスを楽しむための音楽を選曲する、僧侶DJ。お寺を知る僧侶ならではのセレクトが、空間をさらに心地よいものにしてくれます。

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《音楽法要》
富山県内の浄土真宗本願寺派若手僧侶総勢30名による声明(しょうみょう)と雅楽、シンセサイザー演奏によるお勤め(おつとめ)体験です。法要というと堅苦しいイメージが強いものの、この音楽法要はまるで壮大なコンサートを見ているよう。しかも自らお経を唱える声が加わるとさらに厳かさが増していくので、お経を唱えることがとても心地よく感じられます。

1年めも多くの方が参加くださいましたが、2年目には参加者が本堂に入りきらないほど。お坊さんたちがみずから手作りした華葩(けは・蓮の花びらを形どった法具)を用意して配布してくださり、お勤めの最後に散華(さんげ)するシーンも印象的です。法要の最後には、法衣や雅楽に使われる楽器についてお坊さんが説明してくださるコーナーもあり、毎回、みなさん興味津々で聞き入っておられます。

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《勝興寺ツアー》
勝興寺をより詳しく知ってもらうため、ふるこはんフェスでは当日、勝興寺をめぐるツアー(昼3回、夜1回)を開催しています。勝興寺を愛する「勝興寺文化財保存・活用事業団」と観光ボランティア「比奈の会」が案内する勝興寺ツアーは毎回とても好評で、常に定員を超える参加者の方が集まってくださっています。ナイトツアーがあるのも、ふるこはんフェスならでは。

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第2回めとなった2019年に新たに加わった企画に、伏木のまちを巡る「スタンプラリー」や修理中の総門を彩った「タルチョ」、華葩(けは)をアレンジした「アート華葩作り」などがあります。いずれも準備段階から関わってくださったアーティストや学生たち、地域の皆さんや僧侶の方々が出会い、協力することで実現しました。

お寺でのフェスやマルシェは全国で盛んに行われていますが、「ふるこはんフェス」がユニークな点は2つあると考えています。
1つは、多様な方たちが関わっていること。行政、僧侶、地域住民、大学生、アーティスト、彼らが一緒になって企画運営に携わるのは、とても稀有なことだと思います。
2つ目は、集まる方たちもまた多様なこと。地元の幼稚園生・小学生から、お年寄り、ご家族連れ、県外からも含めた若い方たち、まさに老若男女が思い思いに過ごしながら、お寺というどこか安らぎを感じる時間と空間を共有しています。アジール(無縁所)としてのかつての「お寺」の様を見るようです。
いずれも、「寺院の活性化が地域全体の活性化につながる」、そんな新たな可能性を感じる取り組みです。

「ふるこはんフェス」は年に1回、1日のイベントですが、そこに至るまでの過程を含め、実に多くの人が関わり、素晴らしい出会いが、今もたくさん生まれ育っています。

開催概要

勝興寺とまちづくり座談会

日時
2018年3月10日(土) 13:00〜16:00
会場
勝興寺本堂
テーマ
伏木や勝興寺の魅力と課題
実施内容
本堂・本坊の見学
全国の寺院の取り組み事例紹介
座談会形式による意見交換
参加者数
約150名

≪ふるこはんフェス2018≫

日時
2018年10月6日(土) 12:00〜20:00
会場
勝興寺
プログラム
坊主Cafe&Bar
音楽法要
音楽コンサート
僧侶DJ
勝興寺見学ツアー
ワークショップ
フード&クラフトマーケット
オープニングイベント(伏木中学校吹奏楽部&選抜合唱団ふっしーずによる演奏)

《音楽コンサート出演》ROTH BART BARON / Robin's Egg Blue
《僧侶DJ》河上 朋弘 / 雪山 俊隆

≪ふるこはんフェス2019≫

日時
2019年9月29日(日) 11:00〜20:00
会場
勝興寺
プログラム
坊主Cafe&Bar
音楽法要
音楽コンサート
僧侶DJ
勝興寺見学ツアー
ワークショップ
フード&クラフトマーケット
オープニングイベント(伏木中学校吹奏楽部&選抜合唱団ふっしーずによる演奏)
スタンプラリー

《音楽コンサート出演》Predawn / onpun
《僧侶DJ》河上 朋弘 / 雪山 俊隆

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